伴奏曲の解説 |
流派によって、タイムや節調が合わない箇所があると思いますが、動画に詩の字幕とストップウォッチを挿入していますので、それらを目安にして、伴奏を聴き取るコツを研究してください。 |
物語性のある詩には伴奏の変化に注意 |
この詩は、楠木正成の伝記が2行単位でまとめて詠まれており、ちょうど約4分の映画のように構成されています。 場面が大きく変化すると、伴奏も自ずと場面に合った音楽に変化するわけですが、カラオケ動画では、伴奏の変化に伴って映像も変化させることで、分かり易くしてあります。 |
伴奏の各まとまりの特徴をつかむ |
①前奏部分 詩の1~2行の緊迫した雰囲気を先取りする前奏です。 強さが求められる詩文には、吟詠の生き生きしたメリハリが重要ですので、その躍動感を吟者も聴く者も、事前に得られるような前奏にしてあります。 ②1~2行部分の伴奏 「赤坂の城 千窟の屯 妖雲漠漠 天を捲いて臻る」 この部分の伴奏は2行を一つのイメージでまとめています。 「天を捲いて臻る」の箇所でティンパニーのトレモロが2行目の終わりを知らせています。 ③3~4行部分の伴奏 「夢は新たなり 笠置山頭の曉 花は散り香は薫る 芳野の春」 3行目と4行目とは、山のイメージと花のイメージで少し変えていますが、節調によって3行目と4行目が少々ズレても違和感はないでしょう。 ④5~6行部分の伴奏 「涙を呑んで兒に別る 桜井の駅 笑って死に就く 湊川の津」 この部分では、 「涙を呑んで」の箇所を示す伴奏は管楽器のフレーズ演奏です。合図の音として少し特徴のあるフレーズにしてありますので、聴いて覚えてください。 「笑って」の箇所はシンバルが合図です。 「死に就く」ではティンパニーが葬送のように打たれ、 「湊川の津」の部分で音楽が少し盛り上がります。 ⑤7~8行部分の伴奏 「南風競わず 地に塗ると雖も 偉績長えに伝う 忠烈の神」 ここがこの詩のもっとも盛り上がる部分です。 特に「南風競わず 地に塗ると雖も」の箇所は、吟と伴奏との掛け合いの妙がポイントです。どのように掛け合わせて吟じるかは、吟者の好みによって様々でしょう。 ここが上手く合えば、「偉績長えに伝う 忠烈の神」は自ずと合ってくるはずです。 後奏部分 ひと間置いて後奏になっても良いし、逆に吟が伸びて後奏にかぶっても大丈夫です。 |